日本共産党神奈川県議会議員団

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政策・提案・見解
2023年9月14日

神奈川県の最低賃金の大幅な引き上げを求める要請を行いました

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2023年9月14日

神奈川労働局長 木塚 欽也 様

日本共産党神奈川県委員会
委員長 田母神  悟
住 所 横浜市神奈川区西神奈川1-18-12
連絡先 045-432-2101

日本共産党神奈川県議会議員団
団 長 大山 奈々子
住 所 横浜市中区日本大通1県庁内
連絡先 045-210-7882

神奈川県の最低賃金の大幅な引き上げを求める要請書

中央最低賃金審議会は最低賃金を全国の地域別に、Aランク(6都府県)41円、Bランク(28道府県)40円、Cランク(13県)39円引き上げる目安を示した。Aランクに分類される神奈川県は現行1,071円だが、地方最低賃金審議会は8月4日、41円増の時間額1,112円とする答申を行い、神奈川労働局長は8月28日、このとおりの改正決定を行った。これにより神奈川県の最低賃金額は、本年10月1日から時間額1,112円に引き上げられる。

日本共産党は最低賃金の引き上げを求めてきたことから引き上げ自体は歓迎するが、上げ幅は過去最大であっても物価高騰の後追いであり、低所得者ほど物価高騰の影響が大きいことや今後も食料品等の値上げが続くことから、この引き上げ幅では生活困窮者の生活改善は期待できないと言わざるを得ない。

全国労働組合総連合が全国各地で実施した最低生計費調査では、どこでも時給1,500円以上が必要との結果が示され、中央最低賃金審議会の労働者側委員は「現在の最低賃金では最低限必要な賃金水準に到達していない」と指摘したとされ、帝国データバンクは「2023年通年の値上げ品目数は今後予定するものを含め、累計で3万1,036品目となった。22年通年の2万5,768品目を既に上回り、年間累計としてはバブル崩壊以降で類を見ない記録的な値上げラッシュとなっている」と指摘している。

こうした経済状況と併せて、最低賃金には根本的な問題が存在する。

2007年に最低賃金法が改定され、「生活保護との整合性に配慮する」ことが明記された。「月額」である生活保護費を「時間額」である最低賃金に換算する方法に関し、神奈川県労働組合総連合(神奈川労連)は厚生労働省の算出方法に「5つのごまかし」があると疑問を呈し、この主張は神奈川最低賃金裁判として争われた。

「5つのごまかし」とは、①生活扶助費をその地方の平均額としているため生活費の高い都心部では最低賃金額は生活保護以下となる、②住宅扶助費を生活保護受給者の平均実績額としているため同様の問題が生じる、③働くための諸費用である勤労必要経費等が不参入とされている、④全国一勤労所得の少ない県の税と社会保障費が収入に占める割合を使用しており、税と社会保障費が低く算出されている、⑤月の労働時間について、フルタイマーの月間所定内労働時間の実績は150時間余だが、国の計算では法定上限の理論値である月178.3時間としており最低賃金が低く算出されることを指している。

これは、最低賃金額が生活保護費を正しく反映しておらず、生活保護費との整合性を図るためには最低賃金の引き上げが必要であることを示すものである。

加えて、神奈川地方最低賃金審議会の使用者側委員から懸念が表明されたが、最低賃金の引き上げには中小企業や小零細事業者への財政支援を含む支援が必要である。コロナ禍や物価高騰という社会状況や経済状況を受けて、わが党も固定費補助やコロナ関連融資の返済猶予、下請単価の実効ある保障、社会保険料負担の軽減など、中小企業や小零細事業者を対象とした支援策の実施を求めてきた。

業務改善助成金があることは承知しているが、それにとどまらず神奈川労働局からも関係諸機関に対して、中小企業や小零細事業者に向けたさらなる支援策の実施を働きかけることが求められていると考える。

以上のことから、神奈川労働局

として以下の事項を実施していただくこと。

1)物価高騰の推移によっては最低賃金の臨時改定を行うとともに、早期に時間額1,500円の実現をめざす取り組みを行うこと。

2)業務改善助成金にとどまらず、中小企業や小零細事業者に向けた財政支援を含むさらなる支援策の実施を、関係諸機関に働きかけること。

3)最低賃金裁判で争われた上記の「5つのごまかし」を是正することと併せて、全国一律の最低賃金制度の確立に向けて、関係諸機関に働きかけること。

以上


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