
日本共産党の木佐木ただまさです。私は日本共産党神奈川県議会議員団を代表し、ただいま議題となっております知事から提案のありました16議案の内3議案と、請願第37号について反対の立場から討論を行います。
まず、定県第67号議案「令和8年度神奈川県一般会計補正予算(第3号)」についてです。
本補正予算案に反対する第一の理由は、長引く物価高騰と実質賃金の低下により県民生活や地域経済が深刻な打撃を受ける中で、妥当性や見通しに重大な疑義がある東海道新幹線新駅の推進対策費が計上されている点です。
寒川町倉見地区の東海道新幹線新駅の設置推進対策費をはじめとする事業は、JR側の明確な建設見通しもないまま、長年にわたり多額の公費を投じて誘致活動が続けられてきました。今問われているのは、実現性の不透明な新幹線新駅よりも、県民の通勤・通学など日々の暮らしの足である「JR相模線の複線化」をはじめとする生活交通の充実こそが住民生活に資するのではないか、という点です。
第二の理由は、国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)におけるミュージカル関連予算をはじめとする事業費の増額です。
私たちはこれまでも、莫大な公費負担の膨張を抑え、環境への負荷を最小限にとどめる観点から、花博の「適正規模での開催」を一貫して求めてまいりました。県民生活がこれほど困窮している中、イベントやソフト事業にさらなる公費を投じて予算規模を拡大していくことは、到底県民の理解を得られるものではありません。
第三に、後述する「神奈川県地域未来基金」への巨額の積立金や関連する債務負担行為が盛り込まれていることも看過できません。
見通しの立たない開発事業や大規模イベントへの公費投入、将来にわたり使途に重大な懸念を残す基金の設定よりも生活密着型の支援を優先すべきと考えますので、本予算案には賛成できません。
次に、定県第69号議案「神奈川県地域未来基金条例」および関連する補正予算案の積立金についてです。
相次ぐ物価高騰や固定経費の増大によって地域を支える中小・小規模事業者が困窮するなか、新設される194億円もの基金ならびにその資金積立・債務負担行為には見過ごせない重大な問題が存在します。
第一に、特定の先端開発拠点や大規模集積エリアへの集中投資にとどまり、拠点を持たない県内多くの自治体や地域産業が置き去りにされる恐れがある点です。今求められているのは、全県に及ぶ地場産業振興と市町村への公平な財政支援です。
第二に、先端産業拠点への資金投入が地元中小企業への受注拡大や地域経済への還流に寄与する確かな保証・仕組みが存在しない点です。
第三に、政府による「宇宙安全保障」の推進に伴い民生技術の防衛転用が危惧されるなか、軍事利用を禁止する規程や平和利用原則の歯止めが盛り込まれていない点です。
公平な産業施策と平和の理念に照らし、本基金条例の設置および基金積立・債務負担行為には同意できません。よって、本案に反対いたします。
次に、定県第72号議案「住民基本台帳法施行条例の一部を改正する条例」についてです。
国が進めるマイナンバー制度の際限のない利用拡大やマイナ保険証の事実上の強制に対し、県民の間では情報漏洩や誤登録トラブル、プライバシー侵害への強い不安と不信が広がっています。
個人情報保護や自己情報コントロール権への実効ある対策と安全性の検証が不十分なまま、行政内部での情報連携・利用を拡大する条例改正は認められません。よって、本案に反対いたします。
最後に、請願第37号「議会の議決を必要とする工事請負契約限度額の引上げについて請願」についてです。
地方自治法第96条第1項第5号および同法施行令第121条の2の2別表3において、議会の議決に付すべき工事請負契約の基準額は「予定価格5億円以上」と定められていますが、本県においてはすでに条例により「6億円以上」へと限度額を引き上げています。本請願は資材高騰等を理由にさらなる引き上げを求めるものですが、契約の実態を見ればその必要性はありません。例えば今回常任委員会で報告された資料によると県土整備局2025年度400万を超える工事の入札案件が815件、そのうち限度額を超える議決案件は14件で約1.7%と極わずかです。
これを見ても、円滑な契約執行に重大な支障が生じているなど、条例を改正して限度額を引き上げなければならない客観的根拠、すなわち「立法事実」は存在しません。
議決限度額を引き上げることは、多額の公金が投入される大規模公共工事に対する議会のチェック機能・監視権限を狭め、形骸化させることに直結します。契約の透明性・公正性を確保し、税金の無駄遣いや不正を防止するためには、議会による審査を後退させるのではなく、県民の代表である議会がしっかりと監視し続けることこそが不可欠です。二元代表制における議会の統制機能を弱める本請願には賛成できません。
以上、意見を述べ、日本共産党神奈川県議会議員団を代表しての反対討論といたします。
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