
2026年第2回定例会 本会議反対討論 2026年7月13日
日本共産党の井坂新哉です。私は日本共産党神奈川県議会議員団を代表し、ただいま議題となっております知事から提案のありました24議案の内6議案と請願第36号について反対の立場から討論を行います。
まず、定県第42号議案「令和8年度神奈川県一般会計補正予算第2号」の内、高等学校等教育改革促進事業費補助についてです。これは、国の「高校教育改革に関する基本方針」に沿って実行計画を策定し拠点の整備などを行うものです。2026年第1回定例会で反対した際の討論で述べたようにこの国の方針については、教育基本法が定める「人格の完成」という本来の目的を歪め、変質させる点や県立高校が抱える教員不足や施設の老朽化といった切実な課題が後回しになり、国庫補助金を特定のパイロット校に集中投下するなどの「学校間格差」を拡大させるなどの懸念があり、根本的な理念および予算配分の公平性において問題があると考えています。
今回、国に提出した計画は不採択となり、次期の公募に申請するとのことですが、このような国の方針に乗らず断念することが必要だと思っていますので、この議案に反対をします。
次に、定県第47号議案「認定こども園の要件を定める条例の一部を改正する条例」ついてです。
この条例改正では、満三歳以上の子どもにかかわる1学級の編成基準を「35人以下」から「30人以下」に引き下げることや児童等対象業務従事者にかかわる犯罪事実確認等の措置を講ずることなど4つの点について改正をする議案ですが、私たちはその内の特定理学療法士等を保育士とみなすことができる規定等を設ける内容について認めることができません。
理学療法士等の専門職が、保育の現場に入り、専門性を活かし、保育士と連携して保育を行うことは多様なニーズへの対応を図るものだと思います。
しかし、その専門職員1名について保育士とみなすことは、保育士の代替として扱われ、実質的に配置基準の穴埋めに使われてしまうことになりかねないと懸念します。保育現場において子どもの見守りや基本的な生活指導を通じて子どもの発達を支援する保育士の役割と理学療法士等の専門職とでは、期待される役割は違います。
保育現場における役割が違う他の専門職を保育士の代替として配置基準に加えられることについては安心安全な保育環境の整備につながらないと考えるますので反対いたします。
また、同様の趣旨を含む定県第49号議案「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例」定県第51号議案「幼保連携型認定こども園の学級の編成、職員、設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例」についても併せて反対をするものです。
次に、定県第55号議案「神奈川県立の高等学校等の設置に関する条例の一部を改正する条例」についてです。
この議案は、県立高校改革実施計画に基づき、6つの高校を再編・統合し、新たに3校の県立高校を設置するための条例改正です。
私たちはこれまでも学校統廃合については、経費の削減が優先され、通学距離が長くなることや他県に類を見ない高校の大規模化を維持し、少人数学級の実現が後回しになることなど、教育環境の悪化等について反対をしてきました。この議案もそれに関連するため反対をします。
次に、定県第57号議案「県営上溝団地の特定事業契約の変更についてです。
この議案は現在の賃金や資材の高騰に合わせて契約金額を引き上げるものですが、私たちはそもそも県営住宅をPFI方式で整備することに反対をしていますので、この議案についても反対をいたします。
最後に、請願36号についてです。
この請願は、私立学校に対し、宿泊を伴う就学旅行等を行う場合の安全管理の徹底と政治的活動の禁止を遵守することを要請する内容のものです。
本年3月に修学旅行先の辺野古基地の見学で訪れた高校生が事故に会い、尊い命を落とされたことについてはあってはならないことでありご遺族の深い悲しみははかり知れません。事故に会い、お亡くなりになられた方に哀悼の意を表するとともにご遺族にお悔やみを申し上げます。
この事故に関して言えば、まずはきちんと原因を調査し、明らかにした上で再発防止に向けた改善点などをはっきりと示す必要があります。
この請願では、危機管理マニュアルの再点検などの安全管理を徹底することを求めておりますが、学校には生徒の生命を守る安全配慮義務があり、各学校では、同じような事故が起きないように安全対策をとることについては当然のことでありとても大切だと考えています。
一方で、政治的活動の禁止を遵守するよう要請することについては、研修旅行中の平和学習が教育基本法14条2項に違反するという「見解」を文部科学省が出したこと自体が教育内容への介入だとの懸念が広がっているように行き過ぎたものであり、平和学習に対する萎縮を生みかねないと考えますので私立学校へわざわざ要請を行う必要はないと考えます。
教育基本法第14条は第1項で「良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。」と述べ、第2項で「特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」と記しています。
これらの条文は、子どもたちに時の政府への従順さを強要した戦前の教育が軍国主義の支柱となったことの反省から作られたものであり、文部科学省の政治的な介入は極めて抑制的でなければなりません。
今回の辺野古での事故については、平和学習として船に乗って現場を見学するためのことであり、抗議活動をするものではなかったとのことです。このような平和学習を特定政党の支持や反対のための政治的活動とみなすことは、法律の解釈を歪曲し、平和学習に対して萎縮させることにもつながりかねません。
ロシア、アメリカ、イスラエルが国際法違反の他国への攻撃を繰り返し、力による現状変更を行おうとしている世界情勢の中で、過去の戦争の加害と被害の歴史や現在の軍事的な動向などを学び、平和で安全な国や世界を目指すための平和学習はよりいっそう重要となっています。
教育内容への介入は極めて抑制的でなければならないという立場から平和学習に対して萎縮効果を生み出しかねない本請願には反対をいたします。
以上意見を述べ、反対討論といたします。