日本共産党神奈川県議会議員団

〒231-8588神奈川県横浜市中区日本大通 1 県庁内
TEL 045-210-7882FAX 045-210-8932
トピックス 議会報告

2020年9月17日

上野たつや議員の一般質問と答弁(未定稿)

とりいそぎ、書き起こしをアップします。

 

20200916上野議員一般質問

上野議員:日本共産党、横浜市神奈川区選出の上野たつやです。
私は、共産党神奈川県議団の一員として質問いたします。
第一の質問は、カジノを含む統合型リゾートIRについてです。
まず、カジノを含む統合型リゾートIRに対する認識について伺います。
私たち共産党県議団は、これまでもカジノ誘致に反対の主張を続けてきました。
この間、知事は「県全体の観光振興及び地域経済の活性化を図る上で、非常に有効なものである」と発言してきましたが、その根拠がますます疑わしいものになっています。
私は、コロナ禍のもとで、インバウンド、観光振興としてのカジノ事業そのものを見直さなければいけない状況にきていると思っています。
横浜への進出を狙い、IR事業者の中で最有力候補とされていた米ラスベガスサンズが「日本におけるIR開発の枠組みでは私たちの目標達成は困難」であるとし、日本参入からの撤退を表明、その後ウィンリゾーツも撤退表明を行いました。新しい生活様式では、感染症対策のために、「3密」が前提となる、これまでのカジノの事業形態が成り立たなくなっています。
一方、横浜市が、事業者の試算に基づき作成し、今年8月に公表した「横浜IRの方向性」では、1200億円の収入増を達成するために、想定している訪問者数は4000万人です。これは、ユニバーサルスタジオジャパンの年間入場者数1494万人を大きく上回り、東京ディズニーリゾート3255万人を凌ぐような数となっています。コロナ禍を経て、こんなに大勢の人が訪れ、収入が得られるのか、はなはだ疑問でなりません。
これまで市は、インバウンド効果により財政が潤うと主張してきましたが、実際には約8割の日本人観光客を想定しており、先日、横浜市長がIRについて、「外国人観光客に頼るということではなくて、国内観光も含めて盛んにしていかないといけない」と発言したことから、IR施設は、外国人観光客ではなく、横浜を中心とした地域住民を対象にすることを表明したと、私は受け取りました。
さらに、横浜市は、IRからの主な収入の一つであるカジノ入場料収入の使途として、第一に「IR区域の整備の推進」、第二に「カジノの設置及び運営に伴う有害な影響の排除」としており、地域経済の活性化よりもIRへの還元を優先する考えが見て取れます。
また、カジノの設計を手掛ける建築デザイナーは、ある講演の中で、「子どもが行くような施設も含めて、どこへ行くにもカジノの横を通るよう、次世代のことも考えてデザインしている。」とIR施設について説明しつつ、カジノについて「お客が、一歩も出ないようにデザインする。カジノの利益を町に還元するなんてあり得ない。あったら僕らの負けになる」と語っており、周辺地域には、全く経済効果をもたらさないことがはっきりわかりました。これがIR施設の実態です。
私は、昨年の11月に韓国のIRを視察しました。
自国の方が唯一行くことのできるカンウォンランドカジノのある町、サブクは、カジノ客が寝泊まりするためのホテル、飲食店、風俗店が立ち並んでいます。
観光客の大半はIR施設内のホテルに泊まる一方、カジノの営業が終わる朝方には、町を素通りして駅に向かい、電車で帰る人の列ができていました。
この地域では、カジノを誘致してから約20年間で、自殺者が約2400人いるとも言われ、治安の悪化から子育て世帯が町から出ていき、誘致前には7万人程度いた人口が、今では1万人近くまで減少しているとのことで、おおよそ、地域経済が発展しているとは言えない状況を目の当たりにしました。
デザイナーが語った事は、私が現地で見て、感じたことそのものでした。
こうしたことから、カジノを含むIRを誘致したところで、地域経済が活性化しないことは明らかです。
そこで知事に伺います。
コロナ禍のもと、カジノ事業が、観光振興や地域経済を活性化する根拠となり得ないことが明らかになりましたが、ポストコロナの時代においても、カジノを含む統合型リゾートIRは、経済効果に寄与すると未だ考えているのか、見解を伺います。

次に「カジノの誘致に対する直接請求運動」に関連して、住民の意向を尊重することについて伺います。
横浜市は、昨年の8月にIRの誘致表明を行い、コロナ禍の中でも依然として誘致の姿勢を維持しています。
そもそも、横浜市長は、カジノ誘致について「白紙」と言って当選を果たしました。市民の信任を得ていないカジノ誘致について、議会で、可決をされれば、市民の信任・賛成を得たと言えるのでしょうか。
どの世論調査でも、カジノ誘致には反対の意見が6割以上を占めており、そして現在、住民投票やリコールなどの直接請求の運動が住民から起こっているのは、市長と住民の意見に乖離があり、市長が住民の意見を代表していないからだと言わざるを得ません。
一方で、知事はIR誘致に関して「地元自治体のご意向を尊重する」と述べています。はたして、この「地元自治体」というのは、市長、住民どちらの意見なのでしょうか。
そこで知事に伺います。
IR誘致について、市長が住民の意見を代表しているとは到底思えない中、直接請求の運動が起きていることに関して、知事の見解を伺います。また、知事は、地元自治体の意向を尊重すると述べているのであれば、何より住民の意見に沿うべきだと考えます。併せて見解を伺います。

次に、アスベスト対策について伺います。
まずは、石綿飛散防止の抜本的対策についてです。
私たちは、これまで団としてアスベストの問題について、被害の実態や解体工事の問題を指摘し、被害への対応、規制の強化や条例化を求めてきました。本県としても、昨年の環境審議会において、条例に規定すると方針が出されているところです。
また、今年の国会では、大気汚染防止法の「石綿粉じんに対する規制に関する一部改定法案」が可決され、これまで先送りされていた「レベル3石綿含有建材」が使われた建物に伴う、石綿飛散防止対策が盛り込まれました。事前調査の対象とし、規制の対象に入れた事は大きな前進だと思いますが、まだ不十分です。
これまでの大気汚染防止法では、レベル1の吹き付け材、レベル2の断熱材や保温材などを「特定建築材料」として対応し、石綿粉じんの飛散防止措置を行うものでした。しかし、規制対象になっているレベル1・2建材の工事であっても、事前調査でアスベストを見落としたことによる無届や、作業員へのばく露対策と飛散防止措置の不備などで、アスベストが飛散する事故が発生していました。
今回の法改正について、今後省令により作業基準が定められることになりますが、パブリックコメント案では、レベル3建材については、解体・除去作業において、破壊せず原型での取り外し、いわゆる手バラシか、それが困難な場合は、湿潤化、いわゆる水まきを行うことで飛散防止措置を図ることとしており、「飛散性が低い」として、レベル1・2建材と同程度の飛散防止措置が義務付けられませんでした。
しかし、厚労省の「石綿ばく露防止対策等検討委員会ワーキンググループ」において、多くの委員から、現場でレベル3建材が飛散している実態が示されています。委員からは「アスベストは飛散する。飛ぶという前提の下に、いろいろな適用除外をしていくことではないのか」、「本来なら隔離が前提だ」などの批判が出されました。
また、レベル3建材の一つである、ケイ酸カルシウム板第一種について、厚労省は、湿潤化された場合でもレベル2建材並みに石綿が飛散すると認めています。
本県のアスベスト対策について、条例改正の方針の中では、レベル3建材について、レベル1・2建材と同様の飛散防止措置や大気濃度測定は行われないとの事です。このことは、本県の環境審議会においても指摘がされています。
先日、建設現場でアスベストを吸い込み、健康被害を受けた県内の元建設労働者と家族・遺族の64名が、国と建材メーカーに損害賠償を求める「建設アスベスト訴訟」の判決がありました。
1人親方の救済も認められ、直近の結果と合わせると、これで14回続けて国が負けたことになります。
多くのアスベスト被害者が、命を落とし、今も苦しみ続けている現状について、早期に国が対応していかなければいけない問題ではありますが、今後、レベル3建材の規制が遅れたことで被害が出た時には、県の責任も問われるのではないでしょうか。
二度とこのような事態を起こさないためにも、多くの県民に影響を及ぼす危険性のある、レベル3建材について、国に先行する形で県として厳しく規制する必要があると考えます。
そこで知事に伺います。
石綿飛散防止の抜本的な対策のため、作業実施届け、隔離養生、集じん・排気装置の使用及び大気濃度測定等について、レベル3建材を含めた全ての石綿含有建材を対象に義務化を図る必要があると考えますが、見解を伺います。

次に、アスベスト除去工事の費用補助についてです。
アスベストの除去をする際には、レベル1・2建材だけではなく、レベル3建材に関しても、飛散防止の対策、自身がばく露しないための専用のマスクなど、通常の解体とは違い、人も時間も費用も掛かります。また、廃棄物として処理をする際にも、費用負担が大きいのが現状です。
レベル1・2建材の解体ピークは2030年頃です。また、レベル3建材は、アスベストの被害が報告され、レベル1・2建材の使用がおおむね禁止された後も使われ続け、ようやく2012年に全面禁止されたことから、これからの解体工事は、レベル3建材が解体の中心となり、増加していくことは明白です。
このような中、県は、アスベストの除去工事に対する費用補助を行っていません。また、県内の市町村においても横浜市、川崎市、相模原市の3市のみで、レベル1建材に限定して行っているのが現状です。
アスベストの除去工事が適切に行われるよう、動機付け、インセンティブになるように、国まかせにせず、県として独自の補助を行う必要があると考えます。
そこで知事に伺います
アスベスト含有建材の解体工事費用は多額になることから、解体工事に関して、県として独自の補助制度を設ける必要があると考えますが、見解を伺います。

次に、スーパーシティ構想について伺います。
「国家戦略特別区域法の一部を改正する法律」、いわゆるスーパーシティ法は、今年の国会で成立しました。
スーパーシティ構想は、AIやビッグデータなどの最先端技術を利用して遠隔医療や教育、自動運転、キャッシュレス決済、ドローンによる配達、顔認証を使った交通機関の利用などのサービスを一括して住民に提供するものと言われています。
県内では、藤沢市と鎌倉市が、昨年10月に国の自治体アイディア公募に応募しています。特に鎌倉市は、グリーンフィールド型として、新規の街づくりとスーパーシティ構想を併せるために深沢地区を想定しています。
この深沢地区は、「県と藤沢市と鎌倉市」が一体となって、藤沢市村岡地区に新駅の設置を進め、本県が進めるヘルスケア・ニューフロンティア政策や未病関連事業などと関連させ、スーパーシティ構想を推し進めようとしています。
この構想については、知事も「ぜひ実現したいと強く思っている」と発言しており、川崎市殿町と深沢地区を結んだ連携を計画していることなどを考えれば、県が先導するような形で藤沢と鎌倉の両市に働きかける中で、村岡新駅の構想も動き出したと私たちは考えています。
このように、この構想を本県は進めていますが、課題も多くあります。
スーパーシティでは、住所、年齢、マイナンバー、顔写真、健康状態や預金口座をはじめ、詳細な個人情報を、「データ連携基盤」に提供することが求められます。膨大なデータ管理と運用について民間企業に委託することが想定され、本人が知らないうちに行政が持っている個人情報が、企業に利用されプライバシーが侵害される恐れがあります。
また、特区担当相、首長、事業者、住民代表からなる区域会議で基本構想を作りますが、誰を住民代表とするのか、何を住民の意向とするのか規定がないため、住民の声が反映されず、形だけ意見を聞いて、構想を進めることも可能となってしまいます。
さらに、町中のいたるところに監視カメラやセンサーが設置されることで、企業や自治体などが、1人ひとりの行動、思想・信条、交友関係などの記録を日常的に管理、監視することも可能となります。
これまで、この構想について、日本は中国の杭州市をお手本としてきました。
杭州市は、IT企業アリババの本拠地があり、交通違反対策など町全体のIT化が、世界で一番進んでいますが、裏を返せば、町中に監視カメラが数千台設置されていることから、監視社会の最先端となっています。
その結果、中国では、国民への監視や統治に活用し、ウイグル族弾圧や民主化を求める活動家の拘束にも、監視カメラや顔認証技術が用いられてきました。
こうした監視社会に対して、カナダのトロント市では、グーグル関連企業による監視センサーの設置に対する住民の反対運動により、グーグル関連企業はプロジェクトから撤退に追い込まれました。
また、アメリカのサンフランシスコ市では、公共機関による顔認証技術の使用を禁止する条例が制定されました。危険をはらんでいるからこその禁止条例だったのではないでしょうか。
そこで知事に伺います。
いわゆるスーパーシティ構想に関して、個人情報保護がないがしろにされ、プライバシーが侵害されること、また、住民一人ひとりの行動が監視されることが懸念されますが、課題についてどのように認識しているのか見解を伺います。
また、藤沢市や鎌倉市では、スーパーシティ構想に参加することを、前向きに検討していると認識していますが、多くの課題がある街づくりを、県として進めるべきではないと考えますが、見解を伺います。

最後に、相模原市緑区において計画されている、(仮称)津久井農場計画について伺います。
まず、県が行う林地開発許可についてです。
この計画は、茅ケ崎市の有限会社佐藤ファームが、相模原市緑区長竹における約21ヘクタールの土地に、約3年にわたり60万立方メートルの土砂等を埋立て、おおよそ250頭の牛を飼育する農場を造る事業です。 佐藤ファームが事業者、株式会社フジタが業務代行者として、計画が進められています。
現在、この計画は、相模原市の環境影響評価制度の基準に則り、「環境影響評価 準備書」が市に提出され、相模原市長より「準備書 市長意見書」が今年3月11日に出されたところです。
評価過程で行われた公聴会では、事業主が、茅ケ崎市に住みながら、1時間かけて毎日通うため、夜間は誰もいないとされることへの管理体制の不備や、土砂を運び込むために、生活道路を1日に120台以上ものダンプカーが通行することによる生活環境の悪化、さらに、ダンプカーが通る相模原市道の拡幅工事では、影響を受ける住宅について、事業者が勝手に「転居予定」と市に説明し、当該の住民は「そんなことは、一度も言ったことが無い」と主張していることなど、地元住民から様々な不安の声が出されました。
また、事業者と業務代行者が行った説明会において、事業者の答弁が二転三転する上、60万立方メートルもの土をどこから持ってくるのか、現段階でも「未定」と答えていることから、「業務代行者のフジタは、リニアの工事を行っている会社なので、受け入れの同時期に計画されている津久井農場計画は名ばかりで、実際にはリニア工事の残土処理なのではないか。」など、懸念の声もあり、地元住民から市長宛に、計画に反対する2,247人分の署名と要望書が届けられました。
このような経緯から、市の環境影響評価の過程で行われた審査会の最後には、会長からこの計画について「住民とのコミュニケーションはやりすぎてまずいことはない、このことを常に念頭において最大限の努力を」との発言があり、「準備書 市長意見書」においても、「環境影響を受けるおそれのある地域住民等との意思疎通を図ること」を求める旨の内容が記載されました。
そして、この計画に対しては、土砂災害の発生を危惧する地元住民の声も多数聞いています。3年前にも一度、相模原市長竹地区と愛川町の境にある志田峠において、本県の林地開発許可を受けた、盛土による大規模な残土処分場が、台風の影響で土砂崩れを起こしているところです。
県が、「土砂災害が発生する恐れが無い」と判断し、林地開発許可を出したにもかかわらず土砂災害が発生したことから、住民の不安や衝撃は、非常に大きいものがあったと思います。
今回、盛土を行うとされている谷の直下には、相模原市韮尾根の集落があり、下流域には愛川町の半原地区があるため、相模原市だけではなく愛川町にも重大な影響を及ぼすことが容易に想像できます。
元々この地区は、県が「土砂災害特別警戒区域、土砂災害警戒区域」に指定しているところです。仮に、豪雨や地震により、盛土が崩壊した場合、二重の危険にさらされることになります。
私は、甚大な被害の恐れがあるこの計画について、やめるべきと考えます。広域的な視点での対応が求められているのではないでしょうか。
そこで知事に伺います。
(仮称)津久井農場計画に対しては、過去に、林地開発許可を受けて行われている工事において、土砂崩れが発生したことなどにより、相模原市や愛川町の住民から多くの不安の声が出されており、森林の持つ災害防止などの機能が損なわれないように取り組む責務を負っている県として、事業計画そのものについての調査を行うことを含めて、広域的な視点で、住民の不安に応える必要があると考えますが、この問題に対する見解を伺います。

次に、県の林地開発許可の基準についてです。
森林法に基づく林地開発許可には、4つの基準があり、その中の一つに土砂災害を防止するための基準が設けられています。この基準で、土砂災害から県民の命を守ることができるかが問題です。
計画の予定地は、山間の谷になっており、地上から約60メートルの高さまで盛土をする、谷を埋め立てる、いわゆる「谷埋め盛土」によって農場を建設するとしています。
地元住民が開いた学習会の中で、日本科学者会議長野支部幹事の桂川氏は、大雨や地震で「谷埋め盛土」全体が地滑りを起こす滑動崩落が各地で発生しており、この計画予定地で地すべりが起きれば、土砂災害の深刻な被害を及ぼす恐れがあると指摘しています。谷埋め盛土の危険性については、2006年に出された京都大学防災研究所の釜井教授らが発表した報告書「地震による大規模 宅地盛土 地すべりの変動メカニズム」において解明されており、宅地造成等の規制に関する法律の改正にもつながっています。
本県の林地開発許可基準については、谷埋め盛土のメカニズムが解明された2006年以降、東日本大震災を経ても改善されてきませんでしたが、昨年、国の「太陽光発電に係る林地開発許可基準のあり方に関する検討会」において示された内容に基づいて、谷埋め盛土に関する一定の基準が示されました。しかし、十分とは言えないと考えます。
谷埋め盛土の滑動崩落は、地下水の水位が重要とされており、水位の上昇を防止するために、定期的な地下水の排水が必要とされていますが、基準では「10年に1回あると考えられる降雨強度で排水施設の設計をすれば良い」としており、50年、100年に一度の豪雨災害が毎年発生している中、この基準では不十分だと考えます。
また、排水施設について、国の「大規模盛土造成地の滑動崩落 対策推進ガイドライン」では、定期的な維持管理が必要と示されていますが、それを継続して行う責任が明確にされていません。
釜井教授は、JR東海による長野県での谷埋め盛土計画について、「未来永劫、管理する覚悟が無ければ、谷埋め盛土を行う資格は無い。」と、事業者に対して言い切っています。
林地開発許可基準は、県として独自に「厳しい基準にすること」ができることを踏まえ、土砂災害の危険から県民の命を守るためにも、谷埋め盛土の危険性を考慮した基準に変更するべきと考えます。
そこで環境農政局長に伺います。
県として独自に厳しい基準にすることができる林地開発許可の基準については、土砂災害の危険から県民の命を守るためにも、谷埋め盛土の危険性を考慮した内容に変更するべきであると考えますが、環境農政局長の見解を伺います。
以上です。

 

黒岩知事:上野議員の御質問に、順次お答えしてまいります。
はじめに、カジノを含む統合型リゾートIRについてお尋ねがありました。
まずIRの経済効果についてです。IRは、IR整備法上観光振興に寄与する諸施設とカジノ施設が一体となる施設群であり、民間事業者の大規模な投資により観光及び地域経済の振興などを目指すものとされており、一定の経済効果は見込まれると認識しています。
現在横浜市は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、IRの全体スケジュールを延期していますが、感染症終息後は長期的な視点で経済回復の起爆剤になるとの見解を示しています。 横浜市が誘致しようとするIRの経済効果については、コロナ禍における社会経済環境の変化等を踏まえ、市とIR事業者が法の趣旨に沿って精査していくものと考えております。
次に、カジノの誘致に対する直接請求運動に関連して、住民の意向を尊重することについてです。
IR誘致に関連して、住民投票や市長のリコールを求める署名活動の動きがあることは 、報道を通じて承知していますが、こうした活動は住民の意思を表明するための手法の一つであると認識しています。 一方横浜市は、説明会の開催や広報よこはま広報動画などを通じて、IRについての理解促進に取り組んでおり、今後も事業の節目ごとに丁寧な説明を継続していくこととしています。横浜市には、住民の皆様から十分な理解が得られるよう引き続き丁寧な取り組みを進めていくことを期待しています。
IR整備法上、IRの申請主体である横浜市は地域の合意形成のための手続きとして、公聴会の開催をはじめ、住民の意見を反映するための取り組みや市議会の議決を得ることなどが求められています。
県としては、市が法の趣旨を踏まえ、こうした手続きを着実に行うことで住民の意見がしっかりと計画に反映されるものと考えており、その状況を注視してまいります。
次に、アスベスト対策についてお尋ねがありました。
まず石綿飛散防止の抜本的対策についてです。
まず飛散性の高いレベル1及び2の建材の解体ですが、議員ご指摘の4項目のうち、作業実施届、隔離養生及び集じん・排気装置の設置の3項目は、従前から大気汚染防止法に義務づけられています。一方、残りの1項目である解体時の大気濃度測定については、本年6月の法改正で義務付けが見送られましたが、県では、生活環境保全条例に盛り込む方向で検討しています。
次に、飛散性の低いレベル3の建材の解体ですが、今回の法改正により新たに作業基準が定められ、これを遵守すれば飛散防止は可能であることから、県として追加の規制を行う考えはありません。県では、今後も法や条例に基づき、建築物等の解体に伴うアスベストの飛散防止対策を徹底してまいります。
次に、アスベストの除去工事の費用補助についてです。 アスベストを含む建築物の解体は、全国的に増加すると見込まれており、解体工事に伴うアスベストの飛散防止は建築物の所有者が費用負担して行う必要があります。
これまで全国知事会から国に対して、建築物の所有者等に対する助成制度の創設などアスベスト対策の充実強化を国の責任において実施するよう要望しています。国に対しては 引き続き要望を行い アスベスト対策の強化を求めて参ります。
次に、スーパーシティ構想についてお尋ねがありました。
スーパーシティは、国が主導して各地域が抱える社会的課題の解決に向けて、AIやビッグデータなどの最先端技術を実際の暮らしの場で活用し、未来社会の生活を先行して実現する、まるごと未来都市を目指す構想です。
この法案の国会での審議の際には、個人情報保護やプライバシー 住民の行動監視等についても議論されました。その際国は、政府がデータの安全管理基準を定め、サイバーセキュリティ対策等を義務付ける行動履歴を、個人が特定可能な形で用いる場合は本人の同意が必要であり、いわゆる監視社会に繋がらないとの見解を示しています。
こうした国会における議論を踏まえ、国はデータの安全管理基準を設け、その遵守を国が確認すると言う内容等を盛り込んだ政省令を定めるなど、様々な課題に対して必要な措置を講じているところであります。
県としては、こうした国の措置により個人情報保護等についても、必要な対策がとられていくものと認識しています。
次にスーパーシティ構想は、最先端技術やデータ活用により社会的課題を解決し、県民生活を向上させるという点で本県の目指す方向と軌を一にするものであり、ウィズコロナへの対応が求められる中、県としてはこの構想を県内で実現する必要があると考えています。 県としては関係市町村や企業、大学と連携を図り、スーパーシティ構想の実現に向けてしっかりと取り組んで参ります。
最後に(仮称)津久井農場計画についてお尋ねがありました。
県が行う林地開発許可についてです。
(仮称)津久井農場計画については現時点で県に林地開発許可の申請が提出されていません。今後、認可申請が提出された場合は、林地開発許可の審査基準に照らし、適性に審査を行ってまいります。私からの答弁は以上です。

 

石渡環境農政局長:環境農政局案件のご質問 にお答えします。
林地開発許可基準についてお尋ねがありました。 森林法に基づく林地開発許可は、無秩序な開発行為によって水源涵養(かんよう)や土砂災害の防止といった森林の重要な機能が損なわれることのないよう、県が審査し許可処分等を行う制度です。
県では、国が検証した 基準を準用しており、その基準は適正と判断していますので変更する考えはありません。県としては法に則り適切に対応してまいります。答弁は以上です。

 

上野議員:ご答弁いただきました。3点、再質問させていただきます。
まず「カジノ誘致に関連して、住民の意向を尊重することについて」です。
地域の合意形成のための手続き等々とご答弁がありましたが、この間、市長自ら「全ての行政区で説明会を行う」と言っておきながら、コロナを理由に6行政区で説明会が開かれておらず、コロナ禍以前の説明と同じ内容のものを、動画配信で一方的に発信しているだけです。
カジノを誘致すれば、横浜市民だけではなく、県民にも当然影響があります。
また、治安の悪化や依存症対策に関して言えば、県の責任で行わなければならず、より多くの財政負担が生じることになります。
それにも拘わらず、横浜市は、市民にすら丁寧な説明を行えていないのが現状です。
知事は、この状況をどう見ているのか、見解を伺います。

次に、県が行う林地開発許可についてです。
計画が来ていないという事で、来たらしっかりと行うというお話でしたけども、かつて近隣地域で、林地開発許可を行った地域で土砂災害が起こっていて、復旧工事がすでに行われて、指導等も行われているというふうには伺っているんですけれども、そういう事故があったからこそ、地域住民は不安に思っています。
この計画を進める上では、県に必ず許可の申請に来ます。
住民の不安の声をつかんで、事前に状況把握をしていくことが大切だと考えますし、そういった行政の取組み自体が、住民の声にこたえる第一歩だと思っています。
状況把握をすることも考えていないのか、現場の実態についてつかんでいるのか、伺います。

最後に、県の林地開発許可の基準についてです。
今のご答弁だと、国の基準が十分だと言う事でしたが、現状の基準で、先ほどもお話しした通り実際には土砂崩れが起きています。近年、雨の降り方が激甚化している中、国が示す基準以上の内容については、改正を検討しないと言う事でしょうか、伺います。
以上です。

 

黒岩知事:再質問にお答えいたします。
まずは IR 市民への説明の問題であります。 IR 整備法におきましては地域の合意形成に向けて住民意見を反映するための措置 これが定められておりまして 市は住民の理解促進に向けて丁寧な説明を継続することとしています。県としては、市がこうした手続きなどを着実に行うことで、住民の意見がしっかりと 計画に反映されるものと考えております。
それから林地開発許可の問題であります。林地開発許可は申請主義のため、今後許可申請が提出された場合には林地開発許可の審査基準に照らし、適正に審査を行ってまいります。答弁は以上です。

 

石渡環境農政局長:林地開発許可基準についての再質問にお答えします。
現在国が示している基準は、全国における近年の山地災害の発生リスクを踏まえて検討したうえで定められており、その基準は適正と判断していますので、変更する考えはありません。答弁は以上です。

 

上野議員:最後、要望させていただきます。
まず、IRについてですが、私はそもそもIRを住民に理解してもらうっていうことではなくて、そもそも住民の意向を尊重するべきということで今回主張させていただきました。直接請求の運動が実際に起こり、それに基づいて住民が積極的に意見を言おうとしているわけですから、やはり住民の意見に沿うことが首長のあるべき姿だと思います。
そこに関しては県も市が決めることだと一歩引いて見るのではなく、県民のこうした運動を重く受け止め、自治体としては住民の意見を第一に尊重するべきと要望します。

次にアスベスト対策についてですが、アスベスト建材の解体のピークは、これからです。
法改正や、今回の条例改正を逃せば、次の検討は5年後になります。
レベル3建材の飛散性については、厚労省も認めており、被害も実際にでているわけですから、建設労働者をはじめとする県民の命、健康を守るためにも、そしてこれ以上、アスベストの被害を生まないためにも、レベル3建材の抜本的な規制とともに、除去工事が適切に行われるためにも補助金の創設を要望します。

次に、スーパーシティ構想についてですが、国はこの間、「個人情報保護法制を守る」としており、先ほどの答弁でも、国は大丈夫なんだという事で、対応していくんだというようなお話でしたけども、日本の法制はIT技術の進歩には全く追い付いていないのが現状です。
個人情報の流出は、各地で日々、起きています。
ひとたび個人情報が流出してしまえば、被害を受けるのは、そこに住んでいる県民です。
課題が多いスーパーシティ構想を推進することについては、県としてやめるべきだと改めて要望します。

最後に、(仮称)津久井農場計画についてですが、私は、まず、ぜひ、現地に行って、地元住民から生の声を聞いてほしいと思います。本当に地元の方たちは怒っています。そして不安に思っています。
この計画の経過を見れば、住民から不安の声が上がるのは当然です。
一方で、県は、林地開発の許可権限を持っているわけですから、住民の不安の声に寄り添う姿勢が求められます。
また、各地域で、独自に対応するために地方自治体があるわけですから、国の基準通りで良し、としてしまえば、独自性が失われてしまいます。
以前の事故も踏まえて、改めて、県民の命を守る観点に立った基準の引き上げを要望
し、私の質問を終わります。

新着情報

過去記事一覧

  • ツイッター
  • facebookページ
PAGE TOP