日本共産党神奈川県議会議員団

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トピックス 議会報告

2020年9月15日

君嶋ちか子議員の代表質問と答弁(未定稿)

20200914君嶋ちか子代表質問

とりいそぎ、書き起こしをアップします。

 

君嶋議員:日本共産党の君嶋ちか子です。日本共産党神奈川県議会議員団を代表して質問を行います。
大きな課題の一つはコロナ禍における対応についてです。

最初にPCR検査を拡大することについて伺います。
新型コロナウイルスの感染拡大が続き、不安と制約を抱えた暮らしと営業を余儀なくされています。切実な課題は多くありますが、私どもは、感染抑制の為にはPCR検査の拡充が重要だと考えています。
日本のPCR検査数は、増えてきた現在でも1週間で約18万件、ドイツでは1週間で約88万件、人口1千人当たり検査数ドイツ121.7件に対し、日本は12.8件に過ぎません。
この事態に対し、日本共産党は度々PCR検査を地域や施設全体に広げ、無症状感染者を保護・隔離することにより感染予防に役立てることを提案してきました。日本医師会・神奈川県医師会・東京都医師会なども同趣旨の提案を行い、厚労省の検査に対する姿勢も変わってきました。
その変化を受けて県は、7月15日の厚労省文書に基づいて、感染リスクの高い場所や人については、濃厚接触者に限らず検査を行うなどPCR検査を戦略的に拡大する考えを示しました。これは私ども県議団としても度々求めたものであり、県が厚生労働省の姿勢を受けとめたものとして、歓迎しています。
県内では、8月に医療・介護施設・学校・保育園などにおいてクラスターが相次ぎ、いよいよ検査が重要になっています。
さらに厚労省は、8月7日には「感染が発生した店舗等に限らず、地域の関係者を幅広く検査することが可能」、18日には「感染が拡大している地域、また感染者がいなくても医療施設や高齢者施設などで、働く人への幅広い行政検査は可能」との文書を示しました。
但し、判断は自治体に委ねられるため、取り組みに差が生じる余地があります。県全体の感染者を抑制するという立場から、保健所設置市とも積極的な連携が必要です。
そこで知事に伺います。
神奈川県においても、8月7日及び18日の厚労省文書をふまえ、より「幅広く行政検査対象を広げること」、及び「感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域においては、感染者がいない場合であっても、医療施設や高齢者施設などで働く人に対し行政検査を実施すること」が必要と考えますが、見解を伺います。また県内の感染予防という観点からは、保健所設置市との連携及び県全体としての協調が必須かと思われますが、併せて見解を伺います。

次にコロナ禍で明らかになった神奈川の貧困についてです。
第一に、生活福祉資金に殺到する生活困窮者について伺います。
生活福祉資金貸付制度は、コロナ禍の下で申請数が急増しました。昨年度一年間で緊急小口資金197件・総合支援資金5件であったところ、今年度4月から7月までの申請は緊急小口資金37788件・総合支援資金13772件と、両資金合せ4か月間だけで昨年度一年間の255.2倍に膨れ上がりました。
県社会福祉協議会は、体制が追い付かず大変苦労されたと思いますが、事務の遅れに対する悲鳴が、私どもに実に多く寄せられました。例えば、「審査加速求めて下さい。このままだと消費者金融や闇金に飛ぶしかありません」また「コロナで亡くなるより、自殺者の方が多くなります」さらに、「暑くなるのに、子どもの着替えも買えません」また、「通帳に48円しか残っていません」などと続きます。

この方たちの申請に至った事情に少し触れます。
Sさんは、1月にパワハラによる休職に追い込まれ、復職後に発熱、コロナの疑いもあり休まざるを得ず、結果的に退職に至りました。
Aさんは、小学生の子のシングルマザー、民間保育園の保育士ですが、三月の一斉休校では一カ月仕事を休まざるを得ず無給、かつ普段は給食費免除のところ食費がかかることも響きました。休校解除後も感染予防の観点から、少しの体調変化でも出勤停止、減収が続き、家賃・光熱費二ヶ月滞納。アパート退出を求められていました。貯金はゼロです。
Hさんは、コロナの影響で解雇。雇用保険を受給中ですが、家族3人の生活が成り立たず総合支援資金を申し込みました。10年前の総合支援資金を今も返済中です。
またようやく入金があり「これで子どもにオムレツを食べさせることができます」という連絡には、むしろ胸が詰まってしまいました。
この膨大な申請は、神奈川県で働く人達がいかに脆弱な経済基盤で暮らしているかを示しています。まじめに働いていても、不測の事態が起きれば直ちに生活の底が抜ける、貯蓄など到底不可能な賃金、約6割支給の雇用保険では生活が成り立たない低賃金、労使双方の認識不足から休業補償制度等の活用にも至らない、等の実態が浮かび上がります。コロナ感染症は経済的弱者の生活を直撃しました。
そして、この困難を支える制度が、ほぼ生活福祉資金、融資に限られた、というのが現状です。働く状況の改善が必須ですが、一方で社会保障の充実、ベーシックインカムの創設など生活を守る施策も求められています。
そこで知事に伺います。
コロナ禍で明らかになった生活基盤の脆弱性、県民の暮らしを覆う困難を知事はどのように受け止めているのか伺います。また、貸付ではなく生活を保障する給付金制度などの方策を探る必要があると思いますが、併せて見解を伺います。

第二に、働く現場の問題解決について伺います。
働き方も多くの課題を抱えています。非正規労働者は、2019年には雇用労働者の38,3%に達しています。低賃金とともに、契約解除や雇止めは少なくありません。さらに労働者保護を伴わないフリーランスの形態も増えています。この不安定な働き方は、コロナ禍の下でリーマンショック時以上の困難に陥っています。
この事態に対しては、法整備や安定した雇用の確立が不可欠ですが、ここでは県で対応可能な当面の課題として、労働センターの役割について伺います。
神奈川労働センターが、法律や諸制度の労使双方への周知、制度の活用を速やかに進めるための支援、雇用等に関わるトラブル解消などに向けて、より適切に役割を果たすことが重要です。
また、さらに多くの方に当センターの支援が可能となるよう拡充を図ることも必要です。
この状況下で、地域の労働組合も大きな力を発揮しています。神奈川労連の労働相談は、過去最多となっています。派遣労働者Sさんは、コロナによる休業期間中の補償がないまま雇止めになりましたが、組合に加盟し、団体交渉によって休業補償と雇止め後の給与補償をかちとりました。このような例は少なからずあります。
労働センターが労働組合との連携を強めることも、より求められていると思います。
そこで知事に伺います。
かながわ労働センター職員の増員とともに、実態に即してフリーランスを労働相談の対象として位置づけることや、労働組合との連携を強化するなどの柔軟な対応を行い、機能を拡充させることが必要であると考えますが、見解を伺います。

次に 米軍基地内感染対策についてです。
第一に、米軍関係の感染状況について伺います。
米軍基地の存在は、県民に多くの困難を強いてきましたが、新型コロナ感染症に関わっても米軍の特権行使が際立っています。
米国は、感染者600万人、死者18万5千人を超え、世界一の感染国であり、日本政府は米国からの入国を禁止しています。しかし、米軍関係者は例外となっています。
米軍関連の新型コロナ感染症に関わる事例では、神奈川県内に限っただけでも深刻な事態が続いています。9月4日現在で、米軍感染者数は、横須賀41名、座間3名と現存感染者数のみ公表されています。
3月下旬、千人以上のクラスターが発生した原子力空母セオドアルーズベルトから、陽性者を含む3千人が、米海軍厚木基地と沖縄の米軍基地に移送される計画だったことが判明しました。結果的には回避されましたが、日本には全く知らされていませんでした。
3月30日、米国防総省は、各基地の感染状況非公表の方針を発表しました。
4月、厚木・横田基地で米兵の感染が確認された際にも人数を公表せず、非公表が相次ぎました。
7月には、羽田空港から入国した米軍関係者が、PCR検査結果が出る前に横須賀市内の宿泊施設に移動・滞在、その後陽性が判明しています。
8月末には、横須賀基地を母港とする原子力空母ロナルドレーガンの乗員が、感染し下船していたことがわかりました。年末には定期修理で横須賀に帰港の予定です。
これらの事態に対し、住民の立場に立った動きも続きました。
6月には逗子市議会が、感染状況の公表を国に求める意見書を可決しています。
私ども県議団も、南関東防衛局・知事などに、コロナ感染症の適正な管理を求めそれぞれ申し入れを行いました。
これらとともに、沖縄県知事が直接交渉により感染者数公表の了解を得たことや、渉外知事会の働きかけもあり、米軍は、ようやく7月には各基地の感染者数を公表するようになりました。
7月24日には、入国した全ての在日米軍関係者にPCR検査を実施すると発表しました。
また米軍と政府は、各施設の現存感染者数を週二回公表、地元保健所との情報共有などを行うと発表しました。
しかしながら情報は未だ不十分です。新規感染者数、累積感染者数、症状の程度、死者数、PCR検査数などの公表は、最低限必要です。
そこで知事に伺います。
県民の不安解消のためにも、有効な予防策を講じるためにも、県内で行われている公表内容相当を米軍についても求めることが必要と考えますが、見解を伺います。また基地従業員についても、PCR検査を実施することを米軍と政府に求めるべきと考えますが、併せて見解を伺います。

続いて地位協定を見直し、国内法を適用することについて伺います。
検疫法は、入国者について日本側の検疫実施を定めていますが、米軍関係者が入国する際の検疫は、米軍が実施しています。
日米地位協定に検疫に関する定めがなく、1996年の日米合同委員会で、在日米軍基地経由で入国する場合は「米軍が実施する検疫手続きの適用を受ける」とされているからです。
また感染症法は、医療機関に、保健所を通じた都道府県への届け出を義務づけており、保健所はこれをもとに、感染防止に努めます。ところが米軍基地で発生した場合は、例外となります。2013年の日米合同委員会合意が、米軍と日本の衛生当局の相互通報・緊密な協力にとどまっているため、保健所が直接調べることができないのです。
外務省は、検疫法・感染症法いずれも、米軍の基地管理権を定めた「日米地位協定第3条との調整が必要」としています。
ドイツでは、「伝染病の予防及び駆除」については、「ドイツの法規及び手続きが適用される」と、北大西洋条約機構軍地位協定に伴うボン補足協定で明記しています。
地位協定の見直しは、様々な点から長年求められていますが、とりわけ感染症に関わる日本の主権回復は喫緊の課題です。
そこで知事に伺います。
検疫や感染予防において、国内法の適用を可能とする地位協定改定を米国と政府に直ちに求めることが必要です。見解を伺います。
以上です。

 

黒岩知事:君嶋議員のご質問に順次お答えしてまいります。コロナ禍における対応について何点かお尋ねがありました。まずPCR 検査を拡大することについてです。本県の新型コロナウイルスの新規発生患者は8月上旬と比較して減少傾向にあるものの、医療機関、福祉施設、学校等でクラスターが発生するなど、依然として予断を許さない状況が続いています。そこで県では医療機関などクラスター化の懸念がある施設において、陽性患者が発生した場合に、濃厚接触者以外にも検査の範囲を広げて行う集中検査を実施しており、既にこれまで8施設で1044人の検査を実施しています。今後は多数の感染者やクラスターが発生している施設と同じ地域の同種の施設において、感染者が発生していなくても感染リスクや地域の状況をモニタリングしながら、必要に応じて検査を行なって参ります。

また県全体で 効果的に感染対策を行うためには、保健所設置市との連携強化が不可欠です。そこで日々の課題等を共有しともに考えることが重要であることから、政令市の職員に県のコロナ対策本部に参画してもらい、情報等を共有するとともに、軽症者への健康観察等の業務を共同で実施しています。今後とも保健所設置市をはじめ、県内全市町村と連携し、オール神奈川での感染症対策にしっかりと取り組んで参ります。

次に貧困対策についてお尋ねがありました。 まず生活困窮者の対応についてです。新型コロナウイルス感染症の影響の長期化により、収入の減少など日々の生活に不安を抱える県民が増えていることを、私は大変憂慮しています。県民の暮らしを守ることは何より重要であると認識しています。これまで県では、生活福祉資金の財源を確保するとともに、その貸付を行う県社会福祉協議会には延べ400人を超える県職員を派遣して、迅速な貸付にむけて支援してきました。また県が所管する町村域においては、生活に困窮する方を支援する相談員の増員や、家賃の支払いが困難になった方に対する住居確保給付金を支給し、県民の生活を守るために取り組んできました。引き続き新型コロナウイルス感染症に対応するため、県では社会福祉資金の貸付原資の更なる積み増しと、生活に困窮する方の相談体制強化のための補正予算案を今定例会に提出しました。ご提案の生活を保障する給付金については、全国一律の制度として国において検討されるべきものと認識しています。県ではこうした取り組みにより、生活に不安のある県民に必要な支援を行うとともに、貸付期間の延長や償還免除の対象者の拡大など、生活福祉資金制度の充実や財源確保についても、国に要望してまいります。

次に、働く現場の問題解決についてです。県の労働相談は公正で中立な立場から労働問題の自主的解決を促進し、働きやすい労働環境づくりを目指すと言う大変重要な役割をになっています。神奈川労働センターでは、様々な相談に対し法律や制度に即して助言する他、 相談内容に応じ、労使双方から事情を聞いて解決に導く斡旋指導などを通じ、問題の解決を図っています。またコロナ禍での新たな対応として、非常勤職員を増員した上で、よくある相談事例と対応をホームページで情報提供するとともに、7月からはコロナ労働相談 110番を開設し、機能充実を図りました。

フリーランスの方からの相談に関しては、話を伺う中で労働者としての問題であると考えられる場合は労働相談で対応しています。一方で事業主としての問題であると考えられる場合は、神奈川産業振興センターの下請かけこみ寺をご案内しています。また相談の内容が雇用主と労働組合との団体交渉に委ねることが適当である場合には、地域の組合の相談窓口をご紹介するなど労働組合との連携も行なっています。今後もこうした取り組みを通じ、働く現場の問題の解決に向け的確に対応してまいります。

次に、米軍基地内の感染対策についてお尋ねがありました。まず米軍関係の感染状況についてです。神奈川県内で行われている、公表内容相当を米軍に求めることについての見解ですが、基地における感染症情報については、平成25年の日米合意により米軍の医療機関と 自治体の保健所との間で情報交換を行うこととされています。新型コロナウイルス感染症についても感染者が発生した際には、当該感染者に対する詳細な情報が所管する保健所に来ています。一方で感染者数の公表については、米軍の運用に影響を与える恐れがあるとの理由から、3月末の米国防省方針に基づき行われてきませんでした。これに対し5月渉外知事会において緊急要請を行い、 7月には私自ら河野防衛大臣に要請し、情報の公表を求めたところ、米軍はこうした要請にこたえ、当初の方針を柔軟に変更し、現在基地ごとの感染者数等を公表しています。このようなこれまでの経緯を踏まえ、現時点では県としてこれ以上の情報の公表を求める考えはありません。

次に、基地従業員へのPCR 検査の実施についてです。7月に私が副本部長を務める全国知事会新型コロナウイルス緊急対策本部として緊急提言を取りまとめ 、その中で基地従業員に対するPCR 検査について国の責任において実施することを要望しており、引き続き その実現を求めてまいります。

次に、地位協定を見直し、国内法を適用することについてです。現行の日米地位協定では、在日米軍の活動に我が国の法令は原則として適用されません。しかし、感染予防など基地周辺住民の方々の生活に大きな影響を与える可能性が高い分野については、米軍の活動に国内法令を適用することが必要だと考えています。このため渉外知事会では、これまでも検疫や保健衛生等に関して、国内法令を適用する事を繰り返し求めてきました。本年8月18 日に実施した渉外知事会の定例要望においても改めて求めたところであります。今後も基地に起因する様々な課題を抜本的に解決するため、日米地位協定の改定に向けて取り組んで参ります。答弁は以上です。

 

君嶋議員:では続きまして再質問を行わせて頂きます。再質問につきましては先ほどの神奈川労働センターについてなんですが、フリーランスを取り上げたのは相談支援の対象を広げていただきたいという一つの例として取り上げました。また労働組合との連携をあげたのは、できるだけ実効性のある対応を求めるという意味からです。そして、それについては現状まだ 十分ではないという声も伺いましたので取り上げさせていただきましたが、生活苦その根底にある働き方の問題が多く存在する中では、県民の暮らしに寄り添うと言う点から、現在の枠組みを乗り越える取り組みを求めたいと思いますが、どのように広げていくのか見解を伺います。

 

黒岩知事:それでは再質問にお答えいたします。より多くの県民の皆様に神奈川労働センターの相談窓口を知っていただくことは大変重要と考えておりまして、今年度の県のたよりの9月号で労働相談窓口とコロナ労働相談110番を紹介いたしました。今後も10月から12月にかけて駅前などの人通りの多い場所で街頭労働相談を行う中で労働相談窓口を周知するなど、様々な機会を通じて周知に努めてまいります。答弁は以上です。

 

君嶋議員:これまでの要望を申し上げます。PCR 検査につきましては検査対象を濃厚接触者に限らないと言うこれまでの姿勢をさらに進め 、今回今までの基準を超えて、状況によっては感染者がいなくても行政検査の対象とすることを明らかにしていただきました。 今後状況に応じて検査体制をさらに拡充することを求めたいと思います。また保健所設置市においてはクラスターの発生があったにも関わらず、検査実施が不十分だった例を残念ながら聞いております。県内全体の感染抑制という点から協調を働きかけていただくことを 重ねて求めたいと思います。コロナ禍で生じている生活の困難については、根本的には日本の働き方を変えなければなりません。しかしながら現段階で可能な機能を最大限発揮していただきたいと思います。また日米地位協定の矛盾はあまりにも明らかですので、渉外知事会の皆さんの動きとも連動して、引き続き安心して暮らせる神奈川を目指していただきたいと思います。

 

君嶋議員:続きまして課題の二つ目、県政の諸課題についてです。
最初に特別支援学校過大規模化の解消についてです。
第一に特別支援学校の整備について伺います。
私どもは、特別支援学校の過大規模化の深刻な実態を踏まえ、整備の促進を度々求めてきました。それに対し教育委員会は、「神奈川県の特別支援教育のあり方に関する検討会」の報告を受け止めると答えています。
特別支援学校の整備について、2019年3月の同検討会中間報告は、「地域的な課題にも対応しながら、整備を行う必要がある」とし、「児童・生徒数は、特に、横浜市鶴見区・港北区・川崎市幸区・中原区での増加が顕著であり、今後も一定の増加が見込まれる」としています。
今年3月の同検討会最終まとめでも、「なお一層の整備を行う必要がある」としています。
また川崎市は、特別支援学校の設置義務者は県であることを明確にし、「今後も児童生徒数の増加が特に見込まれる川崎市幸区・中原区の課題地域について問題解決の方向性を早急に示すこと」「特別支援学校の新設等により受け入れ枠を拡充すること」を度々求めています。
資料によれば、この地域の川崎市立特別支援学校在籍者数は新設・分教室設置などにより、2011年395名から、2020年624名と大きく増えています。
藤沢市・大和市からも、県立特別支援学校の設置要望が出されています。
そこで教育長に伺います。
特別支援学校の過大規模化の実態、「特別支援教育のあり方に関する検討会最終まとめ」及び各自治体の要望などを真摯に受け止め、時期を明確にした特別支援学校整備計画を早急に作る必要があると考えますが、見解を伺います。

第二に特別支援学校の設置基準について伺います。
従来特別支援学校にだけは設置基準がなく、過大規模化を招く要因ともなっていましたが、多くの団体からの要望、共産党の国会質問などを通じて、取り組みも進んでいます。
文科省設置の有識者会議が「設置基準の策定」を求める「議論の整理案」を出したことを取り上げた質問に対し、7月22日萩生田文科相は、「有識者会議の議論を踏まえ検討を進めていく」と答えています。
そこで教育長に伺います。
特別支援学校設置基準が設けられる事は、特別支援学校整備の努力をしてきた神奈川県としても、より強固な基盤を得ることになります。設置基準を国に求めるべきと考えますが、見解を伺います。

次にJFEスチールの高炉休止についてです。
第一に 自治体の企業に対するはたらきかけについて伺います。
企業の閉鎖や移転に対し、「企業の経営判断」、よって「自治体としては見守る」とよくいわれます。
でも、自治体にも自治体としての立場や判断があります。双方で形作ってきた地域に対し、一方の当事者として見解をもつことは当然です。
その説明として、今回取り上げるJFEスチールを例として用います。
JFEスチールの前身である日本鋼管は、1912年の創立以来、神奈川県や川崎市、横浜市と大きな関わりを持ってきました。1937年には、神奈川県が10か年事業で京浜工業地帯の増設を行い、扇島を初めとする各地域を形作りました。
京浜地区は、日本鋼管の戦前からの拠点工場であり、日本を代表する京浜工業地帯の象徴的な存在でした。公害対策や生産の合理化も埋め立て計画と相まって形成され、1970年には公害防止協定が結ばれています。
最近では、インベスト神奈川により、JFEの95億円余りの事業拡張に対し、9億6577万円の助成を行い、2018年度に終了しています。
また川崎市は、JFEホールディングス及び関連企業と、直近2年間で約149億円の契約を交わしています。
そこで知事に伺います。
一般的に、企業を誘致する時と同様、既に存在する企業の撤退や閉鎖等に対しても、自治体としてそれぞれの経緯を踏まえ、県内の雇用と経済を守るという立場から企業に働きかけることはあり得ると考えます。見解を伺います。

第二に高炉休止計画の見直しを求めることについて伺います。
3月にJFEスチールは、京浜地区の高炉を、2023年度をめどに休止すると発表しました。
一基しかない高炉の休止は、事業所閉鎖にもつながりかねません。また、配置転換は全国規模にならざるを得ず、配置転換に応じられない労働者も多いと思われます。
報道などによれば、従業員約1200人、関連企業約2800人の雇用に影響します。また、8千人以上に及ぶ構内工事請負の労働者、さらに取引先企業が大きく影響を受けます。
JFEスチールは、2019年度決算で87億円の赤字としていますが、JFEホールディングスの事業利益は378億円の黒字です。
JFEホールディングスは創立以来4兆円を超える経常利益をあげ、2018年度で1兆9500億円もの内部留保を抱えています。
高炉休止による収益の改善は、600億円と見込まれていますが、巨大な内部留保で十分カバーできる金額です。
また、仮にJFEスチールの減産を前提としても、高炉複数稼働地区による全国的調整も可能であり、京浜の鉄源を失う本計画が唯一の方策ではありません。
企業には社会的責任があります。JFEスチールは国・自治体などから様々な支援を受け、地域との関わりも大きく、消費者に支えられて発展してきました。そして何より、労働者の技術によって利益を生み出してきています。短期的な利益追求の判断のみ優先し、労働者と地域を放り出すことは許されません。
コロナ禍の下で経済の低迷を余儀なくされている今こそ、国内需要を喚起し、国民の購買力を生み出していくことが必要です。それぞれの企業が長期的視野を持つ必要があります。
それを促し、産業の発展や住民の暮らしを支えていくのが、国や自治体の役割ではないでしょうか。
そこで知事に伺います。
大企業が雇用と地域経済で果たす役割に照らし、また自治体が企業に関わってきた経緯を踏まえ、神奈川県として、高炉休止見直しの要請をすべきと考えますが、見解を伺います。

続きまして神奈川県を災害から守ることについてです。
昨年、甚大な被害を及ぼした台風15号・19号の記憶は今も生々しいところです。
私の地元川崎市中原区におきましても、多摩川の水が下水を通じて逆流し、広範な地域が水に呑まれました。今後、多摩川の水が堤防を越えることもあり得、雨のたびに、地域の方は、悪夢の再来にならないかと怯えています。多摩川の浚渫や河岸整備が切実な要望です。
再び被害を生み出さないために、国及び自治体の力を最大限発揮することが望まれます。多摩川は国土交通省の管理であり、県の工事対象ではありませんが、国への働きかけを強め、県内の安全確保に努めていただくことを強く要望します。
さて、災害対策は多岐にわたりますが、今回は急傾斜地に限定して伺います。
国土交通省によると今年1月から6月に全国で発生した土砂災害は約200件。その1.5割弱が神奈川県であり全国最多です。さらに豪雨の7月には、県内で60件以上のがけ崩れが発生しました。
2002年度の国の発表によると、県内にはがけの勾配30度以上、高さ5m以上、崩壊により被害の恐れがある家屋が5戸以上という危険ながけ地が約2500か所あります。この内、土地所有者の要望があり、工事実施基準を満たせば、急傾斜地崩壊危険区域に指定し、公共工事や県単独の工事に着手することが可能となります。これまでに工事完了に至ったのは約1400個所とのことです。
今年度は、昨年の1.2倍に当たる約40億円を計上し、新たに着手するもの、工事中のもの合わせて年度内約200か所で整備を進めるとのことです。また、今年2月策定の神奈川県水防災戦略における急傾斜地崩壊対策事業費の項目では、3年間で「5割増となる年間15か所程度の概成を目指す」とされています。
対応は強化されていますが、指定を受けても長い間待たされているとの声や、測量から工事完了まで4~5年かかるケースも多くあり、このスピードでは不十分です。
指定後の未着手は土地所有者の都合によるもの含め約50か所、工事途中は約130か所、さらに、指定に至っていない約900の危険個所を加えると、1000個所以上が、未だ安全性を確保できていないということになります。早めることが必要です。
そこで知事に伺います。
昨年の豪雨災害や今年のがけ崩れの状況を踏まえると、急傾斜地整備は、工事完了及び新たな着工を格段に早める必要があります。
そのためには、予算をさらに増やすことが一義的に必要と思われますが、見解を伺います。以上です。

 

黒岩知事:県政の諸課題について何点かお尋ねがありました。まずJFEスチールの高炉休止についてです。はじめに自治体の企業に対する働きかけについてです。本県では地域経済の活性化や雇用創出の観点から、成長産業や先端産業を担う企業に対して様々な支援策を設けて積極的に誘致を行い、産業の集積を図っています。一方近年の変動の激しい社会経済情勢の中で、企業は生き残りをかけた経営判断として拠点の統廃合や見直しを行わざるを得ない場合があります。こうした中、県外流出や県内事業所の縮小を防止するためには、企業が現在の拠点を再編する際に県としても企業を支える取り組みが必要です。昨年度策定した 企業誘致施策セレクト神奈川 NEXT では県内で再投資を行う場合も補助の対象としましたので、企業が撤退や県外移転を検討していると言う情報が事前に得られた場合には、こうした支援策を活用しながら県内での事業を継続して頂けるよう、働きかけてまいります。

次に高炉休止計画の見直しを求めることについてです。JFEスチールはその前身となる 日本鋼管の時代から京浜臨海部における中核企業の一つとして本県経済はもとより、日本経済の基盤を長年支えてきており、その企業高炉休止計画の発表については、私も大変残念なことと受け止めています。JFEスチールのような大企業が事業の縮小を行えば、多数の従業員の雇用や取引先の業績にも多大な影響を与えることになりかねません。しかし、経済のグローバル化により企業は厳しい競争にさらされており、常に生産体制などの見直しを通じ経営の最適化を図っています。今回の高炉休止の計画も需要低迷や原材料価格の高止まりなど厳しい事業環境の中、高度な経営判断に基づき決定されたものであると認識しています。したがって県として見直しを要請することは考えていませんが、JFEスチールからは「従業員の雇用は確保する」「協力会社等にも誠意をもって対応する」と報告を受けておりますので、地域経済や雇用への影響が最小限となるよう配慮を求めて参ります。

最後に神奈川県を災害から守ることについてです。県では崖崩れ災害から県民の命を守るため、危険箇所の周知等を計るソフト対策と併せて、施設整備を行うハード対策を進めています。県内には県東部の丘陵地を中心に、擁壁等の施設整備を必要とする危険な急傾斜地が 約2500箇所あり、その整備率は約5割という状況です。近年の豪雨災害の頻発化・激甚化が懸念される中で、施設整備についてはこれまで以上のスピードで進めていく必要があると認識しています。そこで県では、厳しい財政状況の中、今年2月に水防災戦略を策定し、予算の増額を図りながら施設整備を推進しており、また多額の費用を要するため国の交付金を出来る限り活用することも必要です。このため引き続き様々な機会をとらえ、本県のがけ崩れ対策の重要性を強く国に訴え、十分な予算の確保に努めながら急傾斜地崩壊対策にしっかりと取り組んで参ります。私からの答弁は以上です。

 

桐谷教育長:教育関係についてお答えします。特別支援学校の整備についてです。今後の特別支援学校の整備については、本県におけるインクルーシブ教育の進展や地域的な人口増減等を勘案しながら、その方向性を見定めていくことが必要です。こうした点を踏まえ、平成30年8月に設置した有識者を構成員とする神奈川県の特別支援教育のあり方に関する検討会において特別支援学校の整備の在り方についても議論を進めて頂きました。その結果、今年3月の検討会の最終まとめでは、できるだけ児童生徒の居住地に近い学校づくりを県と市町村が積極的に連携協力して検討していくことや、地域における児童生徒数等の現状と将来的な推移等を踏まえながら地域ごとに整備の方向性を明確にすることが望まれる、などの報告を受けました。県教育委員会では現在、この報告をもとに局内で検討を始めており、今後、国の特別支援学校設置基準に関する新たな議論などを見据えながら、市町村教育委員会と連携しつつ、整備の方向性について検討を進めてまいります。

次に特別支援学校の設置基準についてです。これまで国は特別支援学校については、在籍する児童生徒の障がいの状態に応じ、必要となる施設や設備が様々であること等から、一律の基準を設けることは困難とし、特別支援学校を整備する際、留意事項として特別支援学校 施設整備指針を定めてきました。本県においても、この指針に基づき特別支援学校の整備を進めています。そうした中、お話の有識者会議では、この8月に設置基準について様々な障がい者等に対応できるベースとなる基準を検討することを国に対し求め、国も検討を進めていくとしています。現時点では国の検討の方向性や内容の詳細は明らかになっていません。私も現在指針があるように何らかの目安の必要性はあると考えていますが、一方、国が一律の基準は困難としてきた状況は変わっておらず、むしろ障がいの長期化や多様化が進む中で、より一人一人の状態やニーズに合った支援が求められているとも認識しています。そこでお尋ねの国への要望についてですが、まずはこうした実情等について国に直接訴えながら、今後の検討の方向性などについて確認していきたいと考えております。以上でございます。

 

君嶋議員:では再質問をさせていただきます。まず最初に検討会報告についてですが、川崎市の要望で数年にわたって必要な地域を明示し整備の必要性を指摘しています。それにもかかわらずこれから整備の検討を始めるというのでは、これほど長期間出されている検討結果や自治体からの要望を放置するのかと言われても仕方がありません。最低でも検討の時期的な目処を明らかにする必要があると思いますが見解を伺います。

もう一点、再質問をさせていただきます。設置基準について文科省の検討状況に対してその都度見極めながら意見を言うとの答弁だったかと思いますが、文科省における議論でそのような場面があるかどうかも分かりません。国の設置を求めるこういった基本姿勢を神奈川県からも求める必要があると思います。先ほど多様性の中でそれが困難という指摘もありましたが、多様性はどの分野においてもありますから最低基準を定めるということは可能かと思います。見解を伺います。以上です。

 

桐谷教育長:君嶋議員の再質問にお答えいたします。本県の検討の整備いつまとめるのかと 言うことでございますが、来年度の早い時期には取りまとめたいというスケジュール感をもってやってきました。ただ国における新たな設置基準の検討は、その方向性によってはこれからの施設整備や既存の学校の改修等にも影響をしてくるものと思っております。必要な検討は進めてまいりますが、こうした国の動きがありますので現時点で取りまとめについては、私は改めてスケジュールを立てたいと考えております。

それからもう一つ設置基準の多様性で、国がどういう場面でというお話かと思いますが、やはりまずは、国はどういう方向で、どういうスケジュールで検討をしていくのか、これまで各地方公共団体が様々な工夫をした中で、特別支援学校の整備をしてきております。そうした実情とそして地域が抱える課題、ニーズ、そうしたものはどういう形で、国が言うところの検討に反映をされていくのか、そういう点をまず私としては確認をしていきたい、ということでございます。以上でございます。

 

君嶋議員:要望を申し上げます。今のご答弁にも設置基準については国の動向を見極めながらということでしたけれども、やはり様々な経験を積んでいる地域において、神奈川県の実態をよりリアルに伝えることが、望むべき設置基準の策定につながると思いますので、設置基準については早期に定めることを促しながら提出していっていただきたいと思います。現在特別支援学校にだけ設置基準がない。結果的に日々過大規模による劣悪な環境の下で学ぶという差別的な状況を早急に改善することを重ねて要望いたします。

次に JFE に関わっては他の自治体や海外にも見られるように雇用と地域経済を守ると言う姿勢を堅持していただきたいと思います。その点からは大変残念なことであると言う知事の見解もありましたが、その点で引き続きこの見直しについて要望をしたいと思います。

最後に、災害は自助努力だけではいかんともしがたいことが多くあります。その点では公助の力がまさに試されると思いますので、自然災害が激化している中で、自治体施策と職員 の皆さんの専門性が頼りです。職員の皆さんのご苦労に敬意を表しつつ、期待を込めて、私の質問を終わります。ありがとうございました。

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